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【キシリトールについて】
さて今回はキシリトールについてです。
キシリトールは1976年にフィンランドで虫歯予防効果が発見されて以来、砂糖に比べカロリーが低く生体に安全なことから、虫歯予防の面で注目されてきました。
厚生労働省は「キシリトールは虫歯予防効果が実証されている天然甘味料」とし、「食後にキシリトール配合のガムなどを摂取するのが有効」としています。
このコメントを鵜呑みにすると、キシリトールは「天然甘味料だから安心だ」とか「虫歯を予防してくれるんだ」「キシリトール入りガムを食後に噛むと虫歯にならない」などと思う人もいるのではないでしょうか。
実はキシリトールそのものに虫歯予防能力、虫歯修復能力があるわけではありません。キシリトールを摂取すると、口の中で虫歯の原因となる「酸」が出ないということなのです。
ガムを5分程度噛むと唾液の量が噛む前の10倍近くまで増え、唾液の重炭酸塩などの成分が歯から溶け出たカルシウム(脱灰)を再び取り入れて(再石灰化)、虫歯になるのを防いでくれます。 キシリトールは虫歯の原因を作らないうえに、ガムには唾液作用により歯の修復効果があるので、適切な量でキシリトール入りのガムを噛めば虫歯予防になるというわけです。
ただしキシリトール配合であっても、そのほかに砂糖や水飴などの酸を作り出す原因となる糖類がガムに含まれていると、虫歯予防にならないので要注意です。 キシリトールは虫歯対策にはよい甘味料ですが、それに頼りすぎず、食習慣の管理と食後の歯磨き習慣が大切になります。
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